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第38章 引き継いだモノ…

彼女たちみたいに純粋で私の言葉に耳を傾けてくれる子ばかりだと、性教育なんてすることはない。
だけど現実は違う。
早く処女を捨てたくて、適当な男と付き合ってSEXをする。
お小遣いが欲しくて、知らない男とSEXをする。
その後に待ち受けている悲劇なんて考えもせずに、今だけの事にしか目が行かない。
広い視野で物事の善し悪しを見極めさせるのも私の仕事…
昔に比べたら幾分かは緩和した性教育。
それでも欧米に比べてまだまだで、望まぬ妊娠で心も身体も傷ついて泣く女子生徒も少なくはない。
幸いにも、私の学校では学生時に妊娠する子は殆どいなくなった。
それは年に一度、高校1年の夏休み前の2時間、性教育をするようになったから。
当たり障りのない話ではなく、込み入った話まで赤裸々に話し、そして生徒自身に考えさせる。
初めの頃こそ保護者からの反発もあったけど、見学自由とし隠すことなく見せれば、保護者の方も納得してくれた。
だから、今ではこの学校の名物授業になっている。
それだけでは足りない生徒を呼び出しては指導を続ける。
それが私が目指す教育…
23年で確立した性教育…
友紀也から引き継いだ理想とする教育だった。