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ずっと傍に……
第39章 ずっと傍に…
「…そうだよね…みんながいたから私は幸せになれた…」
家族の笑顔をみていてそう思った。
これが私の一番の幸せ。
そして友紀也が見たかった未来…
「そうだよね…これが、友紀也が見たかった未来なんだよね…」
「はい…僕が見たかった未来ですよ……よく頑張りましたね」
舞い降りてきた声にドキッとした。
何十年生きて来ても忘れる事のなかった声に、振り向くこともできなかった。
振り向いて、その声の主を確認したいのにドキドキと心臓が壊れるほど鳴り響き動けない。
「僕が欲しかった未来…僕が陽葵と共に作りたかった未来…ありがとう…陽葵…本当にありがとう」
肩に置かれた手にビクッと身体が震えた。
わたしはゆっくりと振り向き、彼を…友紀也を見て涙が溢れ出す。
ずっと…ずっと会いたかった愛しい人。
恋して恋焦がれた私の最愛の人。
友紀也は流れる涙を拭い、昔みたいに髪の毛にキスをしてくれた。
それがこそばゆくて、それでいてうれしかった。