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ずっと傍に……
第39章 ずっと傍に…
「長い…歳月でしたね」
にっこりと微笑む友紀也は昔と変わらず優しい眼差しで私を見てくれる。
「そうね…長く…ともて長かった…」
肩に置かれた手を握り締めて、友紀也が好きだといってくれていた笑顔で告げた。
それでも流れる涙が止まることはない。
夢だとしても会えたことがうれしかった。
「泣かないでください…陽葵に泣かれるのは今も昔も僕は辛い…」
そう言って微笑みながら、また涙を拭う。
「…友紀也…?…これは夢?」
頬に触れる手を握りしめて聞いた。
何度か夢で会った事はある。
またそれなのかと、それでも会いに来てくれたのがうれしいと涙が止まらなかった。
「長い年月…ひとりで頑張りましたね。辛い時を乗り越え…僕に幸せな家族を見せてくれた…見ることも感じることもできないと思っていた未来の幸せ…ありがとう…」
その言葉がうれしくて、友紀也に抱き付いて泣いた。
声を出して泣いたのは何年ぶりだろう…
若い頃のように声を出して泣き続けた。
その私の背中を撫でながら、友紀也は何も言わずに受け止めてくれる。
そして、私を軽々と抱き上げて、私が今まで座っていた場所に私を抱きしめたまま座った。