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ずっと傍に……
第39章 ずっと傍に…
その時、目の前にひとりの女の子が現れたんです。
まだ小学3年生ぐらいでしょうか…雨が降っているというのに傘もささずに踏切の前でキョロキョロしているんです。母親を探しているのかと思っていると、ふらりと踏切の中に入ったんです。そこからは何も考えられずに身体が勝手に動いていました。踏切に入って、女の子を抱いて踏切の外に逃げました。電車と僕の身体は紙一重…ほんの数秒遅れていたら接触していた…と思います。電車の通り過ぎる風をモロに浴びて吹き飛ばされたんです。その時に、どうしても、この子を守りたい、守らなければと思いました…そして僕は、その子を抱きしめたまま飛ばされて道路に叩きつけられて身動きができなくなりました。胸を強く打ち付けてしまったのか呼吸も苦しくて…このまま死んでしまうのか…それでもいいかもしれないと生きることを諦めかけたんです。その時に助けた女の子の泣き声が耳に届きました。
まだ小学3年生ぐらいでしょうか…雨が降っているというのに傘もささずに踏切の前でキョロキョロしているんです。母親を探しているのかと思っていると、ふらりと踏切の中に入ったんです。そこからは何も考えられずに身体が勝手に動いていました。踏切に入って、女の子を抱いて踏切の外に逃げました。電車と僕の身体は紙一重…ほんの数秒遅れていたら接触していた…と思います。電車の通り過ぎる風をモロに浴びて吹き飛ばされたんです。その時に、どうしても、この子を守りたい、守らなければと思いました…そして僕は、その子を抱きしめたまま飛ばされて道路に叩きつけられて身動きができなくなりました。胸を強く打ち付けてしまったのか呼吸も苦しくて…このまま死んでしまうのか…それでもいいかもしれないと生きることを諦めかけたんです。その時に助けた女の子の泣き声が耳に届きました。