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ずっと傍に……
第39章 ずっと傍に…
痛いところがないかと聞くと首を横に振りながら泣くんです。だったらどうして泣くのかと尋ねると、お兄ちゃんが死んじゃうって…僕の事を心配してくれてるんです。こんなかわいい子に心配されたら死ねない。僕がここで死んでしまったら、きっとそれを引きずって生きていくと。そんなことはさせられないと思ったんです。ですから僕は死にませんよと伝えると、女の子は何度も本当にと聞くんです。ですからそのたびに何度も大丈夫ですと伝えると女の子は僕をギュっと抱きしめてくれたんです。小さな小さな腕で…どうしてか分かりませんが、その温もりが僕を癒してくれる気がしました。そして女の子が言うんです。」
そこで一旦言葉を止め、友紀也はとても優しい瞳を私にむけながら頬を撫でた。
その手に自分の手を添えて次の言葉を待つと、ゆっくりと口を開いた。
「―――…助けてくれてありがとう。おにいちゃんの傍にはヒナがいるからね…っと。そう言って笑ってくれたんです。―――…陽葵…」
そこで一旦言葉を止め、友紀也はとても優しい瞳を私にむけながら頬を撫でた。
その手に自分の手を添えて次の言葉を待つと、ゆっくりと口を開いた。
「―――…助けてくれてありがとう。おにいちゃんの傍にはヒナがいるからね…っと。そう言って笑ってくれたんです。―――…陽葵…」