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ずっと傍に……
第39章 ずっと傍に…
「これは、うれし涙…幻でもなく夢でもなく…ここに友紀也がいてくれてうれしいの。友也がいて、俊也がいて奈津と和也が居てくれて幸せでも…心が満たされることはなかった。そこに友紀也はいないから…傍にいてくれると分かっていても触れられなかったから…だからうれしいの。今はこうして触れられることがうれしくて…」
友紀也の頬に触れながら告げると、友紀也は眉を寄せて辛そうな顔をする。
「そんな顔しないで…そんな顔をさせたいわけじゃないの…ただ…本当に今が幸せでうれしいから、それを伝えたかったの。ちゃんと迎えに来てくれてありがとう…」
そう伝えると、友紀也の頬にも一筋に涙が零れ落ちる。
今度は、その涙を私が拭って背中に手を回して抱きしめた。
「友紀也…私を好きになってくれてありがとう。奇跡を起こしてくれありがとう…そして、貴方のすべてで私を愛して守ってくれてありがとう…」
私は思っている事を言葉にする。
全てに感謝しているのだと。
だけど、友紀也は私を強く抱きしめながら当時の想いを口にする。
私が知ることのなかった友紀也の思いと苦悩を…