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ずっと傍に……
第42章 母の愛…
『友也へ
初めての手紙が最後の手紙って変ね。
それでも、友也に何かを残したくて手紙を書くことにしました。
きっと、何も言わずに逝ってしまうと思うから。
きっと、友也は寂しくて泣いてしまうから。
だから、手紙を残します。
88年生きてきて一番の幸せはお父さんに出会えたこと。
二番目の幸せは友也と出逢えたこと。
友也と出逢えたことが一番じゃなくてもごめんね。
でも、それだけお母さんはお父さんのことが大好きだった。
いろいろな偶然が重なり奇跡が起き、友也を家族として迎え入れることができたことは、長い人生の中で私に幸せをくれた。
友也がいなければ、お母さんの幸せはなかったと思う。
お父さんが亡くなって今まで生きてこられたのは友也がいたからなのよ。
それだけ、友也の事を愛してた。
友也が生まれ、遥さんと結婚して俊也が生まれた。
俊也が成長して奈保さんと結婚して奈津と和也が生まれた。
ドンドン幸せの輪が広がって、生きているのが楽しかった。