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ずっと傍に……
第42章 母の愛…
「お義母さんが80歳を迎えた時から毎年預かっていたの。もし自分に何かあったら、あなたに渡して欲しいと…毎年、ご自分の誕生日の時に受け取っていたのよ。今年もね。あなたがいない間に受け取ったの。お義母さんから、あなたへの最後の手紙」
それは初めて聞く事だった。
毎年、誕生日の日に俺宛の手紙を遥に託していたという。
そして前預かっていた手紙は、そのまま母さんに返していた。
「お義母さん。あなたのこと心配なのよ。何が書いてあるか知らないけど、きっとあなたのために書いた手紙ね。傍にいますから読んであげてください」
手紙を握りしめている手に遥の手が添えられた。
震えはおさまり遥を見れば、小さく頷き寄り添ってくれる。
だから俺は、母さんの手紙を読むことにした。