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ずっと傍に……
第45章 家族の絆…
「久しぶりだな」
「キミは変わらないね」
「お前は…老けたなっ」
そんな会話をしながら私たちは久しぶりの再会を喜び、近くの居酒屋に入りビールで乾杯をした。
何があっても動けるように普段はお酒を飲まない私も、今日ばかりは好きなビールを飲むことにした。
焼鳥と枝豆をつまみにビールは進む。
それと同時に言葉も滑るように流れ出て、久しぶりに楽しい時間を過ごすことが出来た。
「篤志と会うのはいつぶりになる?」
「あいつの葬儀の時だから5年ぶりか…あの時は色々と悪かったな」
「いや…助けることができなくて…申し訳なく思ってる」
「そんなことはないさっ…あいつの願い通り子供を産むことができたんだ。少しの時でも、自分の手に抱くことが出来た…幸せだったと思う」
篤志は、気にするなと笑う。
美也子が自分の命よりお腹の中の子供を優先した時から、誰もが美也子の命は諦めていた。
…諦めるしかなかった。