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ずっと傍に……
第45章 家族の絆…
「出会った時から強い女性だったからね」
私の口から出る本音。
思い出しながら笑みがこぼれた。
「だな。俺やお前より強かった…勝ったためしがない。色々と」
そう笑いながら話す言葉の中には色々な意味が込められている。
私と篤志が出逢ったのは大学の時。
私と美也子は地元組で、篤志だけが上京してきていた。
学部も違うのにちょっとしたきっかけで知り合い意気投合して親友になるのに時間はかからなかった。
そして篤志と美也子が惹かれ合うのも早かった。
ふたりが付き合いだしても、私たち3人の関係が崩れることはなく、いつも一緒だった。
お酒を飲みに行き、私や篤志が酔いつぶれても美也子は平然と私たちの介抱をする。
些細な事で言い合いになると口では叶わない。
さすがに手を出した喧嘩はしないから、私たちが美也子に勝ったことは一度もなかった。
お互いに学生の頃を思い出し、なんとも幸せな気持ちになっていた。
それだけ充実していた大学生活だった。