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ずっと傍に……
第46章 生きていてほしいから…
その日の夜は母さんは明るい表情で陽葵の好きな物ばかりを作っていた。
明るい母さんを見るのは久しぶりで、父さんも笑顔だった。
陽葵に食べさせるものを作るだけでこんなに笑顔になる事を知って欲しい。
陽葵は決して一人ではないと、俺も母さんも父さんもいるんだと思い出して欲しい。
きっと、桜木先生が亡くなったことは、俺が考えるよりはるかに大きな悲しみなんだと思う。
それでも、やって良いことと悪い事がある。
自分が不幸だからといって人を傷つけていいはずがない。
取り返しのつかない前に…陽葵の傍からみんなが離れていく前に気付いて欲しい。
千佳さんや咲さんがどんなに大切な存在なのか。
父さんや母さんがどれだけ陽葵を心配して追い詰められているのか…
辛いだろうけど現実を知って、その上で生きて行って欲しいと俺は思う。
きっと桜木先生もそう思ってるから。
エントランスに立ち一呼吸する。
陽葵の顔を伺うんじゃなくて俺は俺らしく…行こうと決めて、意地悪な俺は何度もチャイムを鳴らした。



FIN.
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