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第52章 何もしないで後悔をするより……

「友紀也……我慢できなくなっちゃう」

唇が離れると、友紀也の肩に頭を預けて疼き始めた身体を持て余す。

「僕も同じですよ。陽葵とキスをして反応しないわけがない。だけどここは病室です……どうにか考えないといけませんね」

意地悪に笑う友紀也に、私はもう一度キスをせがむと欲しいだけのキスを私にくれた。
この先、私と友紀也が身体を重ねる事があるのかわからない。
だけど身体のつながりだけがすべてではない事も知っている。
だから今は心から愛した人が傍にいるだけどそれでいい。
触れ合って体温を確かめられる距離にいる友紀也に感謝と愛しさしかない。

「陽葵、愛してますよ。ずっと僕の傍にいてください」

「うん。傍にいるよ。ずっとそばに居るからね」

「はい。ご両親にも頼まれましたから」

その言葉に、昨日のパパの言葉を思い出す。