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ずっと傍に……
第9章 ふたりの反応…

「そんなに心配そうな顔をしなくても、上手に出来上がってますよ。ひとつリクエストをするならば…豚汁にはショウガをいれてもらえるとうれしいですね?」

「ショウガ?」

「ええ。僕はショウガの入った豚汁が好きなんですよ。母親の味というんですかね。一番記憶に残っている母の味です」

8歳ぐらいで母親を亡くした友紀也。
それでも覚えている母の味は、一生消えることのない大切な思い出なんだろう。
それを私が覚えられたら友紀也はうれしいだろうか…

「じゃあ、今度は入れてみるね。」

「はい。お願いします。…ほらっ。陽葵も食べてください。遅くならないうちに送っていきますから」

時計を見れば20時を過ぎていた。
今日は特別に21時まで門限を伸ばしてもらっていて、帰る時間を考えれば30分もなかった。
話もそこそこに、作った食べ物を笑顔で全て食べてくれた。

「また作ってくださいね」

そう笑顔で言われると、もっと料理の腕を上げたいと思う。
時間がある時はママに習おうかなと珍しい事を考え始めていた。
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