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ずっと傍に……
第11章 嫉妬と牽制…
――――…
Tシャツとジーパン姿のラフな格好でも友紀也は一際目立っている。
その容姿もだけど、一番は車。
その車に寄りかかりながら空を見上げる友紀也はどこか儚げで哀愁が漂っている。
「お待たせ」
そんな友紀也の表情も私が声をかけると一変する。
お日様みたいな…暖かな笑顔になる。
「おつかれさま」
私の頭をポンポンと叩いて、そのまま友紀也の胸に引きずり込まれる。
「陽葵の匂い…落ち着きます」
人の目も憚らず抱き寄せられドキドキする。
それでも寂しい想いを隠さずに表してくれるから嫌いじゃない。
「今日は陽葵の行きたい場所にどこでもつきあいますよ」
今日はというけど、いつも私が行きたい場所を最初に聞いてくれる。
だからいつもと同じだけど、今日は少し違っていた。
今日は、この前のおしおきの続き。
私との約束を破って一人でイッてしまったおしおきとして、私につきあってくれることにした。
結局はおしおきにはならないけど、これ以外思いつかなかった。
「とりあえず、何か甘い物食べに行きたいな。この前行けなかったチーズケーキかなぁ」
「美味しい店があると言っていましたね。まずはそこからですね。」
甘い物が好きな友紀也もうれしそうだった。