この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第13章 それぞれの誕生日…
「おめでとう」
カツンとグラスを合わせて乾杯をし、人生初のシャンパンを口にする。
シュワシュワとする心地よさと、少し渋めの味が大人になったことを実感させ、そして身体に染み渡るアルコールが身体を熱くさせるのが分かる。
「陽葵とこうやってお酒が飲めるようになるとは不思議ですね」
「そうだね。やっと二十歳になれた。お酒も煙草もOKな年になったんだよね」
「タバコはダメですよ」
しっかりと念を押されても煙草を吸うつもりは一ミリもない。
ただ二十歳になって大人の仲間入りができたことがうれしかった。
今日は6月3日、私の二十歳の誕生日。
お洒落なレストランで友紀也が祝ってくれて、昔約束した通り一緒にお酒を飲んでいる。
出てくる料理は、今まで見たことのないような物で崩すのがもったいないと思えるほどだった。
テーブルマナーも知らない私は友紀也の真似をして辛うじて恥ずかしくないぐらいにフォークとナイフを使う。