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ずっと傍に……
第13章 それぞれの誕生日…
―…
――…
―――…
頬に流れる涙で目が覚めた。
鮮明に覚えている夢に身震いがするほどだった。
「怖い夢でも見ましたか?」
背中を優しく撫でながら友紀也は心配そうな声音で聞いてきた。
「ううん…幸せな夢…子供と孫に囲まれた…未来の夢かな?」
「まだまだ先の未来ですね」
「夢の中でもね。長い歳月でしたねって…早くても20年後??」
夢の中の私を思い浮かべて、想いを馳せる。
「それより陽葵、いつの間にか眠ってしまったようですね…せっかくのお祝いなのに申し訳ないことをしました」
「疲れてるんだよ。来週修学旅行だし大変なんでしょう?」
「このご時世、海外ですので親御さんの不安も大きいんでしょうね。少しでも安心していただけるようにと準備をしていると仕事量が増えてしまいますね。陽葵と会う時間が減ってしまうのが寂しいんですが」
「大丈夫。前よりは先生っていう仕事がどれだけ大変か分かってるから。少しの時間でも会いにきてくれるだけで十分」
「そう言って貰えると助かります。あと2年…あと2年の辛抱ですね」
あと2年の辛抱。
その通り、あと2年したら大学を卒業する。
そうしたら約束通り結婚して一緒に暮らせると思うと、たったの2年と言い聞かせて我慢する