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ずっと傍に……
第16章 苦悩…
「僕の判断…同じですね。ただ違うのは世間体を考えての自主退学ではなく、子育てをしながら学生生活を送るのは無理との判断です。父親がいない。母親は仕事で子育てまで手が回らない。その状況で産んだ方がいいとは言えません。苦労するのは目に見えています。それでも…産むという選択をするのであれば力になりたいと思っています。とりあえずは子育てを優先して…その上で学びたいと思うのであれば大検を利用して大学にも行けます。本当に学びたいと思うのであればいくらでも方法はあるんです。そのための相談も受けて良いと思っています」
私が思った通り、友紀也は普通の先生と違う考えを持っている。
ただ高校3年間だけではなく、その後の人生も考えてくれる。
だから性教育は必要だと今でも訴えているという。
過ちを犯して罰する前に、過ちを犯さない教育が必要だと…
「正直…その女子生徒と陽葵を重ねている部分もあるんです。もし僕が理性に負けて陽葵を抱いて妊娠させてしまっていたらと…僕は間違いなく産んで欲しいと言います。そこに迷いはない。ですが、高校を中退させて、高校生活を奪ってしまっていいのかとも思います。きっと高校・大学は一番楽しい時期ですから…」
「それは違うよ。」