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ずっと傍に……
第16章 苦悩…
「陽葵が傍にいてくれてよかったと思います。正直…しんどかったです。ですが帰れば陽葵が待っててくれる。こうやって抱きしめられているだけでホッとするんです。」
「もっと早く言ってくれればよかったのに」
「それは…できません。学校内の事。陽葵であっても教えるわけには…ですが…僕も限界だったんだと思います。精神的にも肉体的にも…考えれば考えるほど何が一番いいのか分からなくなる。そうなれば食欲もなくなる…悪循環だと分かっていても断ち切ることができなかった…ですが、陽葵に話せて楽になりました…ありがとう…」
「御礼なんて…私は何もしていない…けど体調が悪いわけじゃなくてよかった…」
「…心配かけましたね。今日はこのまま抱きしめて眠っていいですか?明日はお昼からなので朝はゆっくりとしたいです」
私たちはベッドに移動して抱き合い、どちらからともなくキスをした。
お互いを欲しがるキスはいつぶりだろう。
その生徒が妊娠してしまったと分かった時から、2人の間でするキスは挨拶をする程度になっていた。
だから友紀也の悩みを知り、友紀也も私に話してどこか落ち着き、どちらからともなく相手を求めている。