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ずっと傍に……
第16章 苦悩…
「よっ!陽葵。途中まで帰らない?」
帰る準備をしていると久しぶりに大地くんが声をかけてくる。
最近見ないと思っていたけど、大地くんの傍にめぐちゃんの姿はなかった。
「めぐちゃんは?」
「あ~…帰りながら話すわ」
一瞬表情が曇り、いつもの大地くんに戻る。
先に歩く大地くんを追いかけてついていくと、ある場所で立ち止まった。
どうしたのかと大地くんの視線を追いかけると、その先にはめぐちゃんと知らない男の人が楽しそうに歩いていた。
大地くんを見れば困ったような寂しそうな何とも言えない表情。
「大地くん?」
「あっ…ごめん…あいつ…めぐの彼氏…高校の時から引っ付いたり離れたり…いつも泣かされてばっかりなのに戻っちまうんだよな…」
めぐちゃんは大地くんの事を好きとばかり思っていたから驚いた。
「年上の彼氏…女癖が悪くて浮気をされては泣かされる…離れたくないんだと…何度やめとけって言っても聞く耳もたない…どうしたらいいと思う?」
目の前では、めぐちゃんが彼氏の腕に自分の腕を絡ませて楽しそうにしていた。