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第16章 苦悩…

何も知らなければ、素敵な彼氏ねで終わるようなそんな雰囲気だった。

「きっと、私が何を言っても無理…好きだと思っちゃうと周りが見えなくなるから。どんなに浮気したって自分の元に必ず帰ってきてくれるって信じてんじゃないかな？」

「そんな感じかもな…けど…このままで良いってわけでもないだろう？どこかで区切りつけないと」

「そうだよね。今のめぐちゃん見てると幸せそうなんだけどね…大地くんはさっ…正直なところ…めぐちゃんの事どう思ってるの？私…ずっとお互いに好きなんだと思ってたよ」

そう質問すると、大地くんは少し困った顔をして、ポリポリと頭を掻いて一呼吸する。

「一度…付き合ったことあるんだ…幼馴染で仲良かったから周りが盛り上がってなんとなく？けど、なんかギクシャクしちゃってさっ…前みたいに接する事ができなくて、お互い友達のままがいいよねって…」

大地くんの言葉に、おせっかいを焼いていた自分が恥ずかしくなった。
周りはよかれと思っての事でも、ふたりには2人の距離というものがあって、それは他人では推し量ることが出来ないんだと初めて知った。