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第17章 対峙…

理由は未だに分からないけど、蒼と男子生徒が喧嘩を始めたことがきっかけだったらしい。
殴り合いまでに発展した喧嘩を止めに入った友紀也は、蒼ごと窓ガラスに突っ込み、その反動でガラスが割れたという。
咄嗟に蒼を庇った友紀也の上に割れたガラスが降ってきて、友紀也の身体に突き刺さる事態になった。
それから救急車を呼び、状況が分からない先生たちは私と、友紀也の妹に電話をかけたのだと説明してくれた。
その説明に私は言葉を失い、口を手で覆い愕然とする。
蒼の傷が軽かったのは友紀也が庇ってくれたおかげで、それと引き換えに友紀也は落ちてきたガラスを全て一身に受けることになったという事は、蒼より酷いということで、怖くてパパにしがみついて身体が震えた。

「大丈夫だ…きっと大丈夫…」

そんな私を優しく抱きしめ何度も大丈夫だと言ってくれるパパの言葉は頼もしく、不安でいっぱいだった心の中は少しは落ち着いた。