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ずっと傍に……
第17章 対峙…
「あっ…うん…俺の事庇ってくれたんだ。だから俺、これくらの怪我ですんだ…あの血って半分以上は桜木先生のだと思う」
「嘘ッ…」
蒼の言葉に血の気が引く気がして、ぐらりと身体が揺らいだ。
「陽葵っ!!」
座り込む瞬間にパパに支えられパパにしがみつきながら、小林先生が説明するのを聞いた。
「桜木先生は今治療をしてもらってるところだ…命には別状はないらしいが…かなり縫うことになると言われている」
命に別条がないと言われても、怪我をしたのは間違いなくて不安だけが大きくなる。
「陽葵…少し座ったらどうだ?」
蒼白している私を支えながらソファーに座らせてくれたけど、私は怖くてパパにしがみついたままだった。
こんなに恐怖を感じた事は初めてで、誰かに縋りたかった。
私の背中を何度も擦りながら、パパは小林先生と話をし始めた。
「すみませんが…怪我の原因は何でしょうか?状況が把握できていないので説明していただけませんか?」
「原因なんですが…」
小林先生は、渋い顔をしながら事の成り行きを話してくれた。