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ずっと傍に……
第18章 うそつき…
「妹さんにお礼を言わないとね」
素敵な部屋を見ながら口を開けば、そうですねと後ろから抱きしめてくれた。
背中に友紀也の温もりを感じながら、平和な時を過ごせる幸せを実感する。
あの事故から3か月。
数週間の入院が1か月に長引き、その間中毎日のように病院に通った。
昔から友紀也を知っている学先生が、退院させたら無茶をするに決まっているからと無理やりに長引かせたのが理由。
最初の一か月間は友紀也が入院しているから毎日実家から通い、次の一か月はまだ完全ではない友紀也のために友紀也の家で生活した。
そして普通の生活が送れるようになった3か月目からは週末だけ友紀也の家に行くようになった。
それはパパとの約束で、あと2年という少ない日々を家族で過ごすことに決めたから。
毎日会えないのは寂しいけど、それは2年だけだと思うと頑張れる。
そして、普通に生活が出来るようになったある日、妹さんから旅行チケットを貰った。
懸賞で当たったけど、仕事の都合で行けそうにもないから静養を兼ねて私と行ってきたらと言う妹さんの配慮。
というわけで、今は旅館でのんびりとしている。