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ずっと傍に……
第18章 うそつき…
―――――…
「ねぇ…私の何がいけなかったのかな…ずっと一緒だと思ってたんだよ。結婚の約束までして2年後に結婚しようって…旅行も楽しかった。愛されていると実感もできた…それなのに…それなのに…」
「泣けばいいよ。泣いて泣いて…気が済むまで泣けばいい…その為に俺の家に連れてきたんだから…俺ら友達だろう?辛い時は我慢せずに泣けよ」
「大地くん…」
大地くんの言葉につられるかのように声を出して泣いた。
悲しくて悲しくて、涙が止まることはなかった。
子供みたいに声を出して、大地くんに縋り付いて気が済むまで泣いた。
その間中、大地くんは何も言わずに、ただ背中を擦り私が泣き止むのを黙って見守ってくれた。
「…迷惑かけて…ごめんね…」
止まらない涙を何度も拭いながら大地くんに同じ言葉を繰り返す。
「俺の事は気にするな…それより…あそこでヒナに会ってよかったよ…」
あそことは…正直覚えていない。
友紀也に別れを告げられて、その後どこに足を向けたのか思い出そうとしても思い出せなかった。
ただ、手を引かれて泣きながら大地くんの家に来たことだけは覚えている。
そして、ずっと大地くんの腕の中で泣いていることも…