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ずっと傍に……
第19章 哀しみの中で…
――…
―――…
―――――…
次に目が覚めた時には千佳と咲が私の手を握って涙を流していた。
私が目を覚ますと抱き付いて声をあげて泣いた。
ずっとずっと…涙が枯れちゃうんじゃないかっていうぐらいふたりは泣いて、そして最後には泣き顔が汚いってお互いの顔を見て笑ってた。
「何やってんの??ふたり共、顔汚いよ…」
「はぁ???陽葵が言う言葉??」
「心配してお見舞いに来てあげたのに、その言い方ないんじゃない??」
ふたりは、いつもの調子で私に話しかけてくれる。
「何笑ってるのよ」
千佳が私の鼻を摘み上げて意地悪そうにする。
「…笑ってる?」
「笑ってるわよ。人がせっかく心配してきてあげたのに。全然平気そうじゃん。心配して損した!!」
そう言いながら、また、今にも泣き出してしまいそうな表情に千佳の優しさを汲み取る。
咲は、もう涙を流しながら笑っていた。
「…ごめんね…心配かけて…」
私は謝る事しかできなかった。
そんな私に、馬鹿!とだけ一言だけ告げて3人で泣いた。
それを暖かな瞳で大地くんが見守っていたなんて気がつかず子供のように泣いた。