パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第19章 哀しみの中で…

泣き疲れた頃、学先生が顔を出し、全てを知っているような雰囲気でただ一言私に言葉をくれる。

「泣くことができれば人はいくらだって強くなれる。泣きつける人がいれば、その人はまだまだ大丈夫。キミはまだ大丈夫。」

どこかで聞いたことがあるような言葉だと思っても、それがどこだったか思い出せなかった。
それでも、学先生の言葉は私に力を与えてくれた。
私は大丈夫。
そう自分に言い聞かせて私は自分の道を歩いて行く…
それから1週間ほど入院した。
体力の衰えと、精神的不安からの学先生の判断だった。
日中は誰かがお見舞いに来てくれて考えずに済んでも、夜になると一人になり寂しい。
前に進むと決めても一人は辛い。
それでも時は皆に平等に流れて嫌でも前に進むしかなくて、何も解決しないまま退院することになった。
1週間ぶりの家なのに、もっと長い時間家を空けていた気がする。
それだけ、私の心はここになかったと言うことだった。
その間中私は何をしていたんだろう。
泣き暮れて、食事もせず、ただ友紀也の家に行って帰ってくるのをただ待つだけ。
そのたびに、大地くんは迎えてに来て送ってくれて、パパとママがいるこの家に戻ってくる。
その繰り返し…