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ずっと傍に……
第22章 幻でもいい…
ぼんやりと…
ただぼんやりと、その煙を眺めていた。
現実とはかけはなれた場所にいるような…
そんな気がしてならない。
嘘だと思いたい。
間違いであってほしいと思いたい。
だけど、私の傍に、あなたはいない…
触れることも、声を聞くこともできない…
―――ねぇ…傍に行ってもいいですか?
返事がないと分かっても聞かずにはいられない。
―――あなたの傍に行ったら、また愛してくれますか?
愛されたい。
貴方に、まだまだ愛されたかった。
―――愛しています…今でも私は…あなたの事を愛しています
空に上がる煙を眺めながら、私は告げる。
―――私も傍に行きますから…待っていてください…