この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第23章 最良の日…
―…
――…
―――…
「友紀也…私…」
病室のベッドで起き上がっている友紀也の手を擦りながら言葉が止まる。
言っていいのかどうなのか、それは可能なのかどうなのか、正直分からない。
だけど、もし出来るのならば私は…
「友紀也の子供が欲しい…」
そう口にすれば、友紀也は驚いた表情をする。
「陽葵っ…それはっ…」
無謀な事を口にしていると自覚はあるし、友紀也の体力を考えるとエッチをしないほうが良いと言う事も分かっている。
それでも、私は友紀也の子供が欲しかった。
最近、友紀也は私には生きて欲しいと口にするようになった。
たぶん、自分が死んだ後の事を考えて、私が後を追うんじゃないかと心配しているから。
正直、それも考えないわけではない。
友紀也がいない人生を考えると、生きている意味さえないような気がしてくる。
それでも友紀也は私に生きていて欲しいと口にする。
だったら…共に生きてくれる友紀也との子供が欲しいと思った。
そしたら私は生きていける。
友紀也の忘れ形見に愛情を注ぎ、友紀也が見られなかった未来を見せたいと思う。
だから、私は口にした。
友紀也の赤ちゃんが欲しいと…