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ずっと傍に……
第23章 最良の日…
―…
――…
―――…
あれから半月して生理がきて、やっぱり子供はできていなかった。
友紀也も子供ができることをどこかで望んでいたようで、ふたりして落ち込んだ。
そしてそれから友紀也は生き続け、一年後に静かにこの世を去った…
「陽葵…」
友紀也との思い出にふけっていると、名前を呼ばれてドキッと心が跳ねた。
考え事をしてるいる時に名前を呼ばれると、本当に友紀也から名前を呼ばれたんじゃないかと錯覚してしまう。
友紀也じゃなくてユキなのに…
「僕と陽葵が出会ったのも意味があるのかもしれませんね。陽葵は僕と出逢った事で死ねなかった。それは陽葵に生きろと言ってるんだと思います…しばらく僕と一緒に過ごしてみませんか?それでも彼の元に逝きたいと思うのなら…僕はもう止めません。」
顔だけユキの方に向けると、チュッと触れるだけのキスが降ってきた。
「死ぬのはいつでもできるでしょう?だったらその前に…少しだけ僕につきあってください。それでもだめなら…僕は止めません…ダメですか?」
死ぬのはいつでもできる…
その言葉にそうかもと思う。
ユキが傍にいてくれても無理ならばその時に死んでも遅くはない…