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ずっと傍に……
第26章 道しるべ…
「良い先生ですね」
その言葉に頷いて、抱きしめられている腕を握りしめた。
「私に…継げるかな…友紀也の意志…」
「継げるかな…ではなくて、継ぐ!!ですよ。断言できるようになったら進めばいいんです…先生も言っていた通り陽葵の人生はまだまだ長い…ゆっくりと前に進めばいいんですよ。それまで僕が傍にいてあげますから…そろそろ帰りましょうか。お腹がすきました」
いつもお腹をすかせているユキにクスッと笑う。
とりあえずは目先の事から一つずつこなして行けばいい。
「パスタにしようか?何パスタがいい?材料あるから何でも作れるよ」
「でしたら、カルボナーラがいいですね。」
「それ好きだよね…いいよ。帰って作ってあげる。だけどいたずらは禁止ね」
「う~ん…それは約束できませんね…悪戯してしまったら…夕飯にカルボナーラ食べましょう」
手を繋いで帰る道のりは、出かける時の気持ちとは違い晴れやかだった。
目の前に広がっていた濃いい霧が薄れたような、そんな感じだった。