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ずっと傍に……
第26章 道しるべ…
「…私…」
友紀也の意志を継ぎたいと初めて思った。
だけど、本当に継げるのか不安の方が大きい。
「今すぐに決めなくていい…まだまだ長い人生だ。まずは田崎が前を向く事だ…未来はその先に広がる。幾重にも広がる未来だ。何を目指すかは田崎自身が決める事…もし、教師になって意志を継ぐと決めたら相談に乗ろう。相談にくるといい」
小林先生は立ち上がって背伸びをする。
そしてまた煙草に火とつけて、青空に向かって吐き出していた。
何度も何度も繰り返し、そして私の方を振り返る。
「桜木陽葵…桜木先生の意志を継いで前に進め!お前ならできる…俺の長年の教育者としてのカンがそう言ってるんだ…。何かあったら連絡しろ。相談に乗るからな」
持っていた煙草を消してポケットにしまった。
そして、じゃあなと言って歩いて行った。
その消えた後を見ていると、後ろからユキがふわりと抱き付いてくる。