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ずっと傍に……
第27章 舞い降りる奇跡…
―…
――…
―――――…
見覚えのある真っ白い天井を見て、ここが病室だと分かった。
病院に向かう途中に倒れた私を恭平さんが…学先生もいた気がした。
ふたりが必死に私の名前を呼んでいたのだけを覚えている。
「気がついたかい?」
その声に顔を向けると、心配そうに見つめている学先生がいた。
「涙を流して…どんな夢をみてたんだい?」
そういいながら流れ落ちている涙を拭ってくれた。
どんな夢…
「友紀也が…傍にいてくれた夢…私が忘れない限り…傍にいてくれる…」
私はお腹に両手を置いた。
ここにはきっと新しい命が芽生えている。
半信半疑だった事も、今は確信していた。
「学先生…私…妊娠していますよね」
そう聞くと、学先生はゆっくりと頷いた。
「恭平くんだったね。彼に話を聞いて、陽葵くんが眠っている間に調べさせてもらったよ。だいたいからして2か月に入った頃だと思うよ…計算からして友紀也の子供ではないね…キミも良い大人だ。深く追及はしない。産むにしてもおろすにしても早く決めなければならない事は分かるね」