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ずっと傍に……
第28章 幸せの時の中で…
―――――…
誰もが皆、私の傍から離れて行った。
みんなの気持ちは理解できるし、それが当たり前の反応だと思うから、私がみんなを憎むつもりもない。
だから、今は恭平さんと夕実さんだけが私の支えだった。
11時丁度に、マンションに着いたと連絡が入った。
「友也、友紀也とユキに行ってきますして」
小さなリュックを背負ってお出かけする準備が終わっている友也に声をかけると、リビングの隅にある友紀也とユキの写真の前に走って行く。
「いってきます」
ニカっと笑い告げた。
これは出かける時の習慣。
友也には、ママの大事な人だとだけ伝えてある。
もう少し大きくなって、どう説明しようかと悩んでいる最中でもあった。
友也の手を引いて外に出ると、恭平さんの車が止まっていた
その車に向かって走る友也を、車から降りた夕実さんが抱き上げてくれる。
「あらっ。少し重くなった?」
「いっぱいごはんたべるもん。ボクおにいちゃんだからね」
得意げに話す友也は、夕実さんの腕の中から顔を出して車内を覗き込む。
「寝ちゃったの…起きたら遊んでくれる?」
「うん。みまちゃんとボクあそぶ!!」
うれしそうに話す友也は、恭平さんと夕実さんの間にできた子供の美麻ちゃんを自分の妹のように可愛がっている。