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ずっと傍に……
第29章 きっかけ…
―…
――…
―――…
「……点滴………数日入院………気になるなら………とりあえず…………友也は俺が面倒みるから…陽葵が目を覚ましたから切るよ…」
目を覚ました私に気がついて慌てて電話を切った蒼が私の枕元に駆け寄った。
「大丈夫か?気分は?」
「ん…大丈夫…それより友也は?」
いつもだったら傍にいる友也の姿がなくて心配になった。
「陽葵が起きるの待ってたけど待ちつかれてソファーで眠ってる…。…夏風邪だろうけど身体が弱ってるから2・3日入院。その間、友也の面倒は俺が見るから安心して」
「でも、蒼…仕事は?」
「明日は有給取ったし土日があるから問題ない。それより…無理はするなよ。具合が悪いなら早く連絡しろ。」
「だって迷惑―――」
「だってじゃない!!!」
迷惑かけられないからと言おうとして一喝された。
「ひとりじゃないんだ。陽葵が寝込んで友也がどれだけ心細かったか…泣きながら電話して来たんだぞ。ママが死んじゃうって…俺たち家族だろう…姉弟だろう。辛かったりきつかったりしたら頼れよ。もう、何もできない子供じゃないんだ」
蒼の言葉に頷く事しかできなかった。