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ずっと傍に……
第29章 きっかけ…
「ボクがね、いたいいたいの飛んでいけ~~ってやってあげるね」
にっこりと笑って、痛い痛いの飛んでいけ~~と言って千佳の痛みを取り払ってあげようとする。
それでも泣き続ける千佳に首を傾げながら、私の方を向いて助けを求める姿が愛らしい。
私は千佳の横に座って友也を抱き上げた。
「ママね…このお姉ちゃんと喧嘩してたの…だから、ごめんなさいしてるの…」
「痛いわけじゃないの?」
「うん。痛いわけじゃない…悲しいの…」
「そうなんだ…ちゃんとごめんなさい言えた?言えたら許してもらえるんだよ」
ニコニコ顔の友也の言葉はシンプルすぎて笑いがでてしまう。
悪ことをしたらごめんなさい。
それは本当にシンプルで、そして一番仲直りするには一番効果を発する。
「友也の言う通りだね。悪い事をしたら、ごめんなさいだね」
私は咲と、まだ顔を両手で覆っている千佳に深々と頭を下げた。
「千佳、咲…何も相談せずにごめんなさい。ちゃんと話もしなかったのに会わないって言い切ってごめんなさい…一番傍にいてくれたのに、一番の友達だったのに…何をやっても許してくれると高を括って何もしてこなかった私を許してください…本当にごめんなさい…」