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第29章 きっかけ…

色々と言い訳を並べて心の底から謝ってこなかった私は、今、心から謝罪した。
これで許してもらえると思っていないけど、きかっけになればいいと思う。

「ううん…友也くんの言う通りだね。仲直りなんて簡単なんだよね…私たちの方こそごめんなさい…私は昔みたいに陽葵と友達になりたい。」

咲はすぐに返事をくれた。
千佳はというと、何年たっても千佳は千佳で、負けん気が強くて意地っ張りな所は変わることはなかった。

「陽葵を許したわけじゃないからね…子供にあんなこと言われて…大人が謝れないってのは嫌だから…」

ツンツンしながら、それでも千佳が許してくれたのは伝わった。
そして友也にも謝ってくれる。

「友也くんもさっきは酷い事言ってごめんね…本当にごめん」

千佳は友也の頭を撫でながら何度も何度もごめんと繰り返した。
それから私たちは時間をかけて元の関係に戻っていった。