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ずっと傍に……
第30章 助けて…
「陽葵、知ってる?友也が俺たちと同じぐらい大切だって言ってるけど…あれ嘘な。」
蒼が場を壊すような事を言うものだから、私は顔を上げて蒼を睨みつけた。
今そんな事を言わなくてもという反抗の目を向けても、蒼はフンと鼻を鳴らしていつものように私を馬鹿にする。
「同じじゃないんだよ…俺や陽葵より…友也が可愛いんだよ。」
そう言うと、どこからともなく大きな袋を持ち出して、その中身を床の上にちりばめた。
ガサガサガサッと大きな音が響くと、友也がビクッと身体を震わせ私にしがみついてきた。
慌てて背中を擦りながら身体を揺らすと、しがみついたまま起きることはなかった。
「悪い…でもさっ…これ…。友也が来るって分かってから毎日買ってくるんだ…俺たちの頃は、こんなに買ってくれなかったのにさ…やっぱり子供より孫が可愛いんだよ。な?じーちゃん?」
蒼が厭味ったらしく言うと、パパは少し困ったような顔をして知らないふり。
それでもそこまで友也を思っていてくれることはうれしかった。
ずっと家族はいないと思っていた。
パパやママは一生許してくれないとも思っていた。
だけどそうではなく、私も友也も愛されていた。
ママは分からないけど、パパにも蒼にも私と友也は愛され続けていた。