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ずっと傍に……
第30章 助けて…
「パパも蒼も…ありがとう…。友也を受け入れてくれて感謝してる…」
そう伝えると、パパは大きな手で私を引き寄せて抱きしめる。
何度抱きしめられてもパパの腕の中は落ち着くし、ひとりじゃないと実感ができた。
パパの腕の中に抱かれていると、カチャリと音がしてリビングのドアが開く音が耳に届いた。
私たちは一斉にドアの方に顔を向けた。
その先にはママが経っていて、その視線を気にすることもなく入ってきた。
そして、私の方を一度も見ることもなくキッチンに立ち夕食の支度を始める。
時間は18時…私には会いたくなくてもパパと蒼のためには食事を作るために姿を見せる。
パパも蒼もどうしていいのかと分からないようで困っている。
「…パパごめんね…そろそろ帰るね」
「陽葵…」
歓迎されていないのに、このまま居続けるのは気が引けるし、友也が起きた時に同じような態度を取られては友也が傷ついてしまうことを恐れた。
顔を見せてくれないだけで泣いたのに、今のように無視されたらと思うと帰るのが一番良いと思う。