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ずっと傍に……
第30章 助けて…
「そう…ずっと具合が悪かったんだけど、友也に会いたくてお布団の中から出て来てくれたんだよ。初めましてしようか?」
抱き起こして膝の上に座らせると、目の前ではママが嬉しそうに笑っていた。
「友也…初めまして。お見舞いにも行けなくてごめんね…そのお詫びにハンバーグと唐揚げ、グラタン作ったから食べてくれる?」
「…おばあちゃんは…ボクの事…嫌いじゃない?」
恐る恐る聞く友也に、ママの顔がクシャリと歪んだ。
「嫌いじゃないわよ…ママの子供だもの…嫌いになるわけない…会うのが遅くなってごめんね…おばあちゃんのこと許してくれる?」
友也が私の方を向いたから、私は頷く。
「ボクね…おばあちゃんに会うの楽しみにしてた。やっと会えたね」
にっこり笑う友也に誰の心も満たされる。
長かった確執も友也の笑顔の前では簡単に崩され、一瞬にして昔の…私がまだこの家にいた時の雰囲気に戻った。
5人で食卓を囲める幸せ。
そしてその中心で笑い続ける友也の姿に、私以外の家族を作ってあげることが出来てよかったと心からそう思った。