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婚約者の帰還(くすくす姫後日談・その1)
第2章 厨房の勝利者
「みんな、御機嫌よーう!お皿とフォーク、貸してくださーい!」

スグリ姫が婚約者を伴って厨房に行くと、使用人たちがわっと声を上げました。
「まあ、姫様!」
「おお、婚約者様もご一緒ですかい!」

スグリ姫の婚約と、もうすぐ行われるハンダマ王太子とレンブ姫の婚礼の際にスグリ姫の婚約者のお披露目が行われることは、先日発表されておりました。
城の外ではまだ婚約者の素性は知れては居なかったのですが、城内では、婚約者候補の従者としてやってきて、その後は客として滞在している人物が婚約者であることは、既に知られていたのです。

「このたびは、誠におめでとうございます!」
「みんな、ありがとう…!」
一同から口々に祝福を受けて、スグリ姫は感激しました。
もともとは九十九人目の婚約者候補の従者であった、現・婚約者です。
口ではなんと言っていても、陰口を叩く者が居てもおかしくはありません。
ところが、今、厨房では、全員が心から喜んで、祝ってくれている様子だったのです。

「こんなにみんながお祝いしてくれるなんて…とっても嬉しいわ…!」
姫は感激で目を潤ませました。
「姫様、水臭ぇなあ。姫様の喜びはあっしらの喜びですよ!」
「まさに、我が事のように嬉しいです」
「ほんっとほんとに、嬉しいです!」
「ええ!!おかげさまで大儲k…フガッ」
一人が何かを言いかけて、横の者に慌てて口を塞がれました。

「どうしたの?」
「いえいえ、何でも。…それより姫様、これを受け取っちゃあくれませんか」
「なあに?…わあ!」
姫が渡された包みを開けてみると、革で作られた道具袋が出てきました。
木工に使うような道具を入れて、腰に下げられるようになっている、頑丈そうな袋です。
「姫様の為に、あっしの家内に作らせたんで。」
「姫様、以前ご覧になって、便利そうだっておっしゃってたでしょう?」
「お祝いに何か、と思って、みんなでこれを頼んだんですよ」
「ありがとう!…でも、いいの?貰っちゃって」

「姫様。遠慮なさらず、貰ってやってくださいな」
スグリ姫が遠慮していると、長年働いている女が言いました。


「この人たち、賭けに勝ったんですよ。」

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