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会員制秘密趣向倶楽部 ~お好きなプレイを~
第3章 美希三十五歳 リアルママゴト
「美希ちゃん、ここによろしくね」
涼子さんからメモを受け取り、奥の更衣室へ行く。
更衣室にはそれぞれのロッカーがあり、シャワールームも付いている。
軽くシャワーを浴び、年相応の服に着替えて店を出た。
今日の行き先は、月に一度必ず呼んでくれる常連さんの所。
店を出る時若い子に、「ご主人にバレたらヤバくないんですか?」と訊かれたけれど、これは浮気じゃない。
結婚して五年。それなのに主人は、ここ三年も海外出張。この先何年か続くらしい。そのせいで子供が出来ないのは、もう諦めかけている。
家から出勤していた最初の二年だって淡泊なのか、手を出してくるのは週に一度あるかないか。浮気している様子はなかったけれど、私には物足りなさ過ぎた。
三年間のうち帰って来たのは、毎年正月だけ。そんな回数で、女ざかりと言われる私は満足出来ない。
結婚したのに、毎晩一人でオナニーなんて、淋しすぎる。
そのせいで、オトナのオモチャの数も増えていく。バイブは三本。乳首を刺激する器具まで買ってしまった。
主人には気晴らしに知り合いのブティクを手伝うと言ってあるから、電話に出られなくてもおかしくない。だから仕事は、昼間だけにしてもらっている。
「着いた……」
独り言を言ってから見上げたのは、高級マンション。
この五階に依頼主が住んでいる。
相手も三十過ぎだけれど、独身。
どうしてこんな高級マンションに住めるのか、私は知らない。知っても、意味は無いから。
エントランスで教えられている暗証番号を入力すると、自動ドアが開く。住人のような素振りで、五階まで行った。
「こんにちは」
インターフォンに向かって言うとすぐにドアが開き、嬉しそうな依頼主の表情。
「ママ、待ってたよ」
見た目も三十代。でも彼の嗜好は近親相姦と言っていいのだろうか。ママと小さな息子という設定。
とにかくママに甘えたいらしい。
「ごめんなさいね。いい子にしてた?」
「うん。ちゃんと掃除もしたよ」
「いい子ねぇ」
私より背の高い頭を撫でると、彼はまた嬉しそうに笑う。
「ねぇ、ママ。ボク、お腹空いちゃったよぉ」
「ご飯が食べたいの?」
一応、そう訊いてみる。