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王家の婚礼(くすくす姫後日談・その2)
第4章 婚礼当夜

「…お前、」

姫の願いをしぶしぶ承諾したサクナは、もしや姫はこれも「お手合わせ」で経験しているのか、と思いました…が。


「…お前、……ヘタクソだな…」

「ふぉへ?!」
口の大きさに見合わないものを一生懸命咥えていたスグリ姫は、 サクナの感想に、思わず文句を言いました。

「…ふぃ…ひふぉひ…」
「っそこで喋んなっ!」
(…無ぇな、こりゃ無え。一回でもヤッててここまでヘタクソってのは、有り得無え。)
させろと言い出したときは、これも前に教わったのか、と思ったのですが、姫があまりにも慣れない様子だったので、正直少しほっとしました。
姫が他の男のを咥えたのか、と思うだけで、酷いことをしてしまいそうだったからです。

「まず、歯を立てるな。絶対噛むな。最悪俺が死ぬ」
「っ!?…ぅわふぁっふぁ…」
「っだからっそこで喋んじゃねえ!!」
「んんっ。」
咥えたままで喋ったことで起きた反応に、姫は咽そうになりました。

「無理に口に入れねぇで、まず舐めてみろ」
「んっ。」
姫は軽く頷くと口に入れていたものをぬるんと出して、ふはっ、と息を吐きました。
そしてそれを手で恐る恐る握りなおすと、舌を出してぺろっと舐めました。
「…こぉ?」
赤い舌を這わせ、少し眉を寄せた不安そうな顔で見上げてくるのは、なかなかに扇情的です。

「…とりあえず、そのままやってみろ」
「ん。」
それからしばらく、姫はそれを続けました。
時々、ここを辿れだのここを吸えだのこう動かせだのと言う指導を受けながら、少しずつ扱うのに慣れてきて、「ヘタクソ」よりは少々上達して参りました。
「…ん…っん」
「っ…だいぶ上手くなったな」
「ひょんひょ?」
姫は目を伏せてあれこれ頑張っていたことを中断すると、嬉しそうに聞いてきました。

「上手になったご褒美に、もう一回口に入れてみても良いですか、マイスター!」
褒められたせいか指導のせいか、呼び方が弟子に戻っています。

(…「良いですか」と言われても、なあ…)
色々な意味で良くは無い気もしましたが、元々嫌では無いだけに、ご褒美とまで言われると断りにくいものがあります。
ああ、と仕方なく頷くと、姫は嬉しそうに、ありがと!と言い、ぱくんと口に咥えました。
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