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王家の婚礼(くすくす姫後日談・その2)
第2章 婚礼の朝

「スグリ…」

婚礼の日の、朝。
正装に着替え終えて一日ぶりに姫の部屋を訪ねたサクナは、盛装した姫を見て名を呼んだ後、絶句しました。

淡い黄色の光沢のあるどっしりした生地を、ところどころ手の込んだレースで飾ったドレスは、普段よりも数段高貴な印象を与えます。
あまり明るくない室内であるのにも関わらず、小さなティアラと耳飾り、首飾りが、 見る者の目を惹きつけるような光を放っておりました。

昨日の晩餐の席でも姫はそれなりに着飾っておりましたが、慣例ということで男女は離れた席に着いたため、話すことは勿論、近くで見ることすら叶いませんでした。
遠目で見たスグリ姫は匂うように美しく、満開を迎える一歩手前の、薄紅を纏った純白のリンゴの花を思わせました。
時々自分の方を見ては頬を染める様子が殊の外愛らしく、サクナは男女が共に過ごしてはならないという婚礼前の慣例に、心の中でクソ食らえと悪態を吐きました。

今日は今日で、朝食の時には普段の服で、普段と変わらぬ顔をしていたのです。
その、いつもは明るく弾けるような姫が、今この時は、清楚で優雅、神々しいまでに気高い雰囲気を纏って、すぐ目の前に居ます。
サクナの胸はざわざわと騒ぎました。

(触ったら、罰が当たっちまいそうだ…これが一昨日ぐずぐずに蕩けて善がってた女か?)
快感で泣きながら自分をねだってきた艶かしさなど、今の姫からは、微塵も感じられません。

(…クッソ…今すぐ剥いて、確かめてぇ…)
サクナが悶々としている間、姫は姫で、ちらっ、ちらっと上目遣いで何度かサクナを見ておりました。

「…何そんなとこで、ちらちら見てんだ?」
今のスグリ姫は、近寄り難いほど美しかったので、できれば姫から自分の方に近づいてくれないかとサクナは思ったのですが、一向に傍にやってきません。
サクナが不機嫌そうに聞くと、姫は顔を伏せて言いました。

「はずかしいっ。」
「あ?」
「はずかしいのっ」

姫に二度も「恥ずかしい」と言われ、サクナはショックを受けました。
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