この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
異形疾病
第5章 ドクター「K」
それ以来、同僚の姿を思い浮かべてオナニーするようになった。

街中でスパッツ内に脱糞しながらオーガズムに達している患者を見かけると、同僚を重ね合わせて興奮した。
どうにも我慢できず仕事の合間にトイレで抜くこともあった。
そんな気分になったときの女がいないわけではなかったが、思い浮かぶのは女の顔ではなかった。
人手不足で忙しくて、と言い訳し、女との行き来はやがて遠のいていった。


同僚が退院して早一か月。
患者用のシャワートイレ付き住宅に引っ越すという当日、休みを利用して手伝いに行った。

久しぶりに会う彼は、異形の姿もすっかり板に付き、グレーのスパッツの前後を濡らしながら引っ越し業者に渡す最後のダンボールの封をしていた。
らくらくコースで申し込んだから大丈夫、などと言っていたとおり、旧居での作業は業者頼みでほぼ終わっていた。

「ちょっと痩せたな」

変異で体重自体は増えても、急性期の症状と精神的な苦痛のため、発症前に比べて痩せてしまう患者が多い。

…ん……そうかな…

言葉少なに、ゆっくりとした喋りで答える。

「メシは? ちゃんと食ってる?」

…うん、一応…
…下の通りを入ったとこに…定食屋があって…

「そう。今夜は俺、鍋でも作るから」

…え……料理するの?

「こう見えてなかなかの料理男子よ」

…へぇ……初耳……

のんびり笑いながら、眠そうな声で一言、二言。
それが新しい彼のリズムなのだ。
正直、これはこれで悪くなかった。


俺の車で新居へ向かい、荷物の受け入れをした。
1DKの小さな部屋だった。
元々荷物の少ない男で、着るものもシンプルだったし、発症後はさらに衣服が限られるのでずいぶん処分したらしく、小さな収納で事足りるようだ。

小ぶりな室内とは対照的に、シャワートイレはゆったりとした造りだった。
排水口側の壁に向かって簡素な産婦人科の内診台のような椅子が置かれている。
背もたれが後方に倒れ、両脚を載せた台が左右に開く仕様だ。
その正面には大きめの鏡がついている。
一度の排泄に約15分。少しでも楽な姿勢でできるのはありがたいだろう。
便座は丸洗い可能で、手入れがしやすそうだ。

「よさそうな部屋だな。皮肉じゃなくて」

…うん……そうだね…

日々の暮らしは何かと不自由になる。
これぐらいの狭さが本人のためにはいいように思う。
/32ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ