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異形疾病
第6章 「A」
窓から、傾いた西日の橙色が差し込んでいる。

「じゃ、帰るわ」

何か言わなければと思うのだが、唇を開いても言葉が出てこなくて、意味もなく、ごめん…と呟いた。
彼が中に入っていた感覚が体の奥底に残って痺れている。

笑いながら彼は立ち上がって上着を羽織った。

「次、何食べたいか考えとけよ」

次……

現実に引き戻されたような、悦びと怯えが混じり合った気持ちで、私は全裸のまま大きな股間をぶら下げてぺたぺたと玄関まで追いかけた。

言葉が出なかった。なんて言えばいいのだろう。
黙ったままの私に彼は少し意地悪そうな笑みを浮かべて

「もう来ない方がいいか?」

と訊いてくれた。

私はぶんぶんと首を横に振った。もう一度強く首を振って

いや……いや…来てほしい…

と言った。
声がかすれてしまった。

彼は、涙やら鼻水やらがそのまま乾いてしまった私の顔を両手で挟んでキスをした。
長い、甘やかなキスだった。
私の舌が彼の舌を生き物のように求めた。体の芯は性懲りもなく熱く収縮し、そして膨張した。
疲れなのか全身に力が入らず、腰から体がぐらぐら揺れるのを止められない。
陰茎の先からまるで漏らしたように一気に体液が溢れた。


見送った後、ふぅ…と息を吐いて自分の股間を見下ろした。
溢れ出てくる体液が異様な大きさの陰茎を濡らしている。陰嚢が熱くパンパンに肥大しているのを感じた。
糸を引いて伝い落ちる体液をかがんで両手ですくい上げ、塗り広げるようにしごいた。
たった今の唇の温かさ、頬に残る手のひらの感触、そして昼間の行為を反芻した。

きりがなかった。

目を閉じると、自分の声ではないような声と、息の上がった彼の声が、少し遠くから重なって聴こえた。


しばらくして、低い唸り声とともにその場で軽く達した。
体がぐらつくに任せ、巨大な上向きの陰茎から精液がドロドロドロ…と溢れて股間を這うように伝い落ちていく様を、ぼんやりと見下ろした。
こんなにも卑猥な、恥ずかしい体になってしまった。視覚から興奮が増していく。
ぐらぐら、ぐらぐら、と揺れながらその場で射精し続けた。
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