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異形疾病
第3章 空港にて
脚を開いて膝を立たせ、まず女性器を目視で検査する。
肥大した大陰唇と小陰唇を丹念に触り、めくれた膣口を間近で覗き込む。

「肉の隙間に不審物がないか調べますね」

穏やかな口調で女性職員は説明するが、患者は既に荒い吐息を漏らしては性器から体液をぬらぬらと溢れさせ、腰をうねらせている。

「中も調べさせていただきますね」

先端にライトの付いた器具を膣口にずぶずぶ挿入し、ベッド脇のモニターを操作すると、ライトに照らされた患者の膣内が映し出された。
体液が次々に溢れ出すため、膣内はまるで洪水のようで奥の方まで見えない。
体を小刻みに震わせ、荒い吐息に時折「…ああぁ……」という喘ぎ声が混じる。

「うーん…濡れすぎてちょっとよく見えないですね」

そう言って女性職員は男性職員を呼んだ。
上司なのか先輩なのか、状況の報告を受けた男性職員は、

「じゃあ、濡れてるところで肛門の方を先に見ちゃったら」

と指示した。
なるほど、そうですね、と言うと女性職員は、器具を挿入したまま患者の体の向きを変えさせて四つんばいにさせ、透明な薄手のゴム手袋を両手にはめながら

「では、先に肛門検査をしますね」

と言って大きなドーナツ状に肥大した肛門を触り始めた。
患者は身をよじりながら震えて、喘ぎ声はいよいよ抑えられなくなる。
そしてベッド脇の機械から膣口に差したままの器具と同じものをもう一本取り出すと、ワセリンを塗って先端のライトを灯し、肛門へ挿入した。

「…あぁ…ん…んああぁぁ……」

静かな室内に患者の喘ぎ声と息遣いが満ちていく。

「ん? これは何かしら?」
「んー? 奥に何か見えるな」
女性職員と先ほどの男性職員がモニターを確認している。
「うんちかしら」
「まぁ、ただのうんちなら問題ないが」
「……あぁ…ああぁぁ…」

男性職員はさらに他の男性職員を呼んだ。
数人の男性職員がベッド周りに集まり、皆でモニターを見たり、それ自体がまるで単体の生き物のようにひくひくとうごめく患者の肛門を凝視したりしている。

「ぁあぁぁ…んん……」

女性職員は器具を出し入れしては内部が見やすい角度に調節している。

「ん…んん……はぁぁ…ああぁ……」
「やはり、お浣腸検査でしょうね」
「うんちと断定するには中身を確認しないと」
「そうだな」
「前も後ろもですね」
「必須になったからな」
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