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異形疾病
第3章 空港にて
先進国を中心に世界中で同時期に発生したこの疾病は、患者の性格変異も特徴の一つだ。

患者は男女問わず、また元来の性格にかかわらず、おとなしく口数が少なく受け身な性格に変異する。
攻撃性は皆無で、患者による犯罪率は極めて低い。
その従順でありながらも異形の姿は、健常者の嗜虐性を大いに刺激した。

他国では健常者による集団輪姦や監禁傷害、殺人事件も後を絶たないが、法整備が進んだ日本では、元々犯罪率の低い国民性もあって「表沙汰になる事件」は少ない。
だが、偏った法律を盾にした健常者による悪質な行為が、少しずつ各方面で問題になり始めていた──。


空港の不審物検査では、患者は必ず別室へ通される。


私は潜入取材のため身分と職歴を偽って空港の清掃会社の求人に応募し、7か月前から空港内で従事している。
トイレ掃除などを嫌がらず丁寧にこなし、目立たず、群れず、それでいて孤立もせず、汚れているものを綺麗にする仕事はたとえ裏方でもやりがいがあると、折に触れて周囲に穏やかな笑顔で語った。

あるとき仕事終わりに上司から呼ばれ、事務所へ行くと奥の部屋に通された。
普段の仕事ぶりを評価していること、そして新たな業務を担当してほしいこと、それに伴い報酬もアップすることを告げられた。
内容の説明を受け、なかなか引き受け手がいなくてねとこぼす上司に、私でよろしければと快諾した。


新たな業務とは、不審物検査室の清掃だった。
「患者専用」の別室だ。
私は超小型カメラを搭載したボールペンと長時間録音可能なマイク付きのボールペンを二本、作業着の胸ポケットに差して現場に向かった。


検査職員は男性が多く、少数の女性はベテラン職員のようだ。
八畳ほどの小ぢんまりとした部屋で、水道の蛇口が二箇所、床は一面タイル張りの浴室のような造りだった。
部屋に入ると騒がしい外部の音は遮断され、防音性も高いと思われる。


一人の女性患者が室内へ通されて来た。


職員は穏やかな口調で説明しながら手荷物の検査を行い、また女性職員によるボディチェックが行われた。
不安げな患者は小さな声で、何も怪しいものは持っていないと言うが、
「法律で決められた検査ですので」
とやんわり諭されると、おとなしく口をつぐんだ。

女性職員は患者の衣服を脱がせて全裸にし、壁際から中央に向けて置かれた簡易ベッドに横たわらせた。
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