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気になる視線
第1章 夢の途中
三浦美希 24歳 美容師


新米スタイリストのある朝の始まり


『おはようございます』


店の扉を開けて、挨拶


もう既に、アシスタントの後輩が


鏡の前に座りメイクや髪をセットしながら



各々『おはようございます』『おはようございまーす』



軽く私を見て挨拶をしてきた


いつもの変わらぬ風景


皆んな、自分の事で精一杯の朝の身支度


朝の出勤順は決まってこんな感じのメンバー


そして、次々と いつもと大体同じ面子が出勤してくる


『おはよう』『おはようございます』


10分もするとほぼ全員が店の鏡を占拠して


ナルシストに


当たり前の光景だが


普通の会社員からしたら


随分と贅沢な朝の身支度の場だ


これが、美容室の朝の始まり


店によっては、身支度は


自宅で済ませて来なければならない


そんな店も多いが


当店は、朝礼の時に身だしなみチェックと題して

店長もしくはトップスタイリストの


厳しい採点がある


なので、皆 鏡の前ではバリバリのナルシストと化す


とはいえ、毎日の事



ほぼ全員が、一月も勤めれば注意される事など無くなる



何故ならここは 美を追求する場だから


「お客様の見本になれ 」


ここ(店)は舞台


「お客様の憧れの存在に 」


そして、演じなさい



それがこの店のコンセプトでもある
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