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僕の彩芽
第11章 十一

 でも、これってチャーンス!私が泣く所を見て悲しくなるなら、もっと泣けば同情を引けるかも?!ローター責めが無くなるかも?!

 ……よっしゃぁぁぁ!私、もっと泣けぇぇぇ!

「っ……!」

 泣く事に全神経を集中させ、頭の中で泣ける事を考えた。

 玉葱100個みじん切り。足の小指を柱の角にぶつける。

 痛ぇぇぇ!痛くなっただけぇぇぇ!

 ……何してんだろ、私。テンパってる。だって秋人さんが目の前で、悲しそうな瞳をさせているから。

「ポチ……ペットが泣くと主人は悲しいんだ。だから、泣くな……」

「はい……」

 秋人さんから抱き締められ、頭を撫でられると、私の胸は高鳴った。

 どうしよう。ドキドキするよ。さっきから私変。秋人さんから触れられると、体が火照る。

「俺がバカだった。ポチを信じないなんて……豪を襲ったと聞いたら、頭に血が上った。俺以外の男とヤろうとしてると思ったら」

「私の事を信じてくれるんですか……?」

「ああ……当たり前だろ?俺はもうポチの虜だ」

 きつく抱き締められる体。穏やかな秋人さんの声。それでまた、涙が溢れてくる。

 秋人さんも嫉妬だったんだ。ペットとしてだけど、それでも嬉しい。

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