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僕の彩芽
第11章 十一
秋人さんから逃げる……?
「実は、今よく分からなくなってて……」
「分からないって何が?」
「今日一瞬、秋人さんから離れられなくなったんです。こんな事話すのは恥ずかしいんですけど、秋人さんにくっつきたい衝動に襲われて……」
「……理由は何か分かってる?どうしてそうなっちゃったの?」
「理由は分からないんですけど。多分、秋人さんから……耳を舐められたのが原因かなって……」
こんな事を話して恥ずかしい。けど、龍生さんには何でも話せてしまう。
そういえば心理カウンセラーの勉強してるって言ってたからかな?穏やかで、聞き上手だ。
「すいません……こんな事話して……」
話した後、私は恥ずかしくなり、熱くなった両頬を両手で押さえた。隣では龍生さんが、驚きの声を上げた。
「み、耳を、舐められたっ?!」
目を見開き、口をあんぐりとさせる。
動揺している様にも見えるけど、龍生さんはすぐに落ち着きを取り戻した。
「へ、へぇ~。それって、よく猫や犬を飼ってる人がする心理的な行動だね」
「心理的な行動……?猫や犬の耳を舐める人がいるんですか?!」
「いるよ。いるいる~。ちょーいるよー。ペットの耳フェチねー。そういう人は大切な人にそういう事しないんだ。ペットにだからこそ出来るんだ」
「そうなんですね……」
やっぱり秋人さんが私をペット以外の人として見てくれるわけないよね……。
龍生さんの話を聞きながら、落胆する。